受動喫煙とぜん息(小児・成人)

用賀アレルギークリニック院長・医学博士
永倉 俊和 先生

 子どもたちの周囲には、受動喫煙の危険がたくさんあると訴える。
 とりわけ女性の喫煙率の増加(母親の喫煙問題)も大きな問題であり、子どもの呼吸器障害は、同居人が吸うタバコの量と相関しているとした。
 ステロイド治療まで行わなければならなくなった3歳の子どもの実例をあげ、同居している父母祖父母がそれでも1日6箱を消費しているなど、家庭内受動喫煙被害の実態を報告された。
 同時に吸入ステロイドが、ぜん息患者に大きな効果をあげており、そのことを「ぜん息エピソードの減少」レポートなどで紹介。

※ぜん息エピソードの報告
吸入ステロイド薬の使用前後で以下の事柄(エピソード)が何回起こったかを数値化して比較した。
1)入院の経験
2)緊急治療室の経験とその回数
3)予定外受診
4)会社や学校を休んだ経験とその日数

 

成人ぜん息―快適に過ごしていただくために

エパレク副理事長・医学博士
灰田 美知子 先生

 ぜん息発作に慣れて、いつものこととあきらめてしまっている患者さんが多くいるが、この諦めがぜん息死の危険性を高めている。発作を繰り返していると気道の壁が元に戻らないリモデリングが起きてしまう(気管支が治らない)。
  東京で年間約400人の方がぜん息発作で死亡しているが、この数字はオーストラリアのぜん息死者数と同じ。日本でのぜん息治療の遅れが問題となっている。
  ぜん息はある程度コントロールできる病気である。そのためにはピークフローメータ測定を欠かさずぜん息日記をつけること。同時に吸入ステロイド薬治療を継続することで、普通の人と同じ生活を過ごすことも可能となる。
  諸外国ではフルタイドとセレベントの合剤が、治療に効果を発揮して高い評価を得ている。
 ぜん息治療を諦めず、「発作ゼロ!症状ゼロ!」とぜん息治療のゴール目標を高く掲げ、それを実現することも不可能ではないのだと、力説する。

 

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多岐にわたるタバコの問題を冷静に分析し、その核心をさぐる

エパレク副理事長・医学博士
田中 一正 先生

多彩なパネリストと会場の質問者とにより活発な意見交換が行われました。

先生は、医療・社会・労働・家庭等、多岐にわたるタバコの問題を冷静に分析し、その核心点を的確ににフォーカスしていきました。

 

家庭で喫いたければ、ベランダでやりなさい

用賀アレルギークリニック院長・医学博士
永倉 俊和 先生

たとえば高級といわれるレストランで灰皿が用意されているような矛盾、またはお医者さんの学会での喫煙やあるいは未成年者の喫煙などの諸問題をないがしろにせず、喫煙者・非喫煙者の健康を軸にお話をされました。

 

自治体の長へ、訴えよう

エパレク顧問医
切明 義孝 先生

健康増進法のおかげで、公共の場での受動喫煙は軽減されてきました。東京都では都立高校の敷地内が全面禁止となりました。区立の小中学校では、まだ足並みがそろっていませんがこれも時間の問題でしょう。時間分煙や空気清浄機は意味がありません。もし公共の施設での禁煙・分煙が徹底されていないときは、自治体の長へ投書や嘆願書を出すのも効果的です。

 

粉じんに関する日本の法定基準はまだまだ甘い

東京大学大学院国際地域保健学教室
中田 ゆり 氏

実際の社会生活で被る受動喫煙の実態を調査。説得力ある明快な語りで、まだまだ甘い受動喫煙の実態を暴露。たとえばお父さんが台所にある換気扇の下でタバコを吸っても、食卓にいる子どもたちはタバコの煙を吸ってしまうんだそうです。

 

タバコをやめた喜び

NPO法人 日本呼吸器障害者情報センター
遠山 雄二 氏

14歳からタバコを吸い、禁煙を誓ってはそれを破るイタチごっこの繰り返し。タバコのみの気持ちはよくわかる。同時にタバコを吸う苦しみとタバコをやめた喜びも。
喫煙者には、ぜひやめられるよう協力してほしい。

http://www.j-breath.ne.jp/

 

女性の喫煙をなくそう

NPO法人 アレルギー友の会理事長
上野 光子 氏

普段ぜん息やアトピーなどの病気についての講演は多いので、「禁煙」のパネリストになって途惑ってます。いつも優しい笑顔の上野さんですが、「母親が子どもの健康を損ねる喫煙をするなんて許せません」と一喝。

 

JTは情報の開示を

エパレク副理事長・医学博士
灰田 美知子 先生

ぜん息患者の中にもタバコを嗜好する人が、かなり存在する。タバコ自体に気管支を拡張する成分などが含まれていたりするなどしている。JTはタバコの成分を公開すべきだ。
私たちも、タバコに引き付けられる様に巧妙な罠が仕掛けられていることを知り、これに対処していかなければならない。


第1回オープンセミナーの質問にお答えします。

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